わたしの名前

今週のお題「お花見」 

 

 

わたしはいかにも春らしい名前を持っている。そして何を隠そう、春生まれだ。やっぱり四季の中では春が1番好きだし、新生活が始まるあのなんともいえない匂いが好き。小学校の近くの匂いとか最高。

 

 

しかし南国に移り住んだわたしは、お花見をもうかれこれ4年ほどしていない。今年も、出来そうにない。一年の始まりが4月ではないこの国で、新生活の始まりのあの独特な雰囲気も、感じることは出来ない。

 

 

だけどたま〜に、ふわっと吹いた少し暖かくなった風の中に、春の匂いを感じることがある。はるがきた。わたしの胸はうずうずする。

 

 

もうすぐ誕生日。

両親と年の離れた兄姉がつけてくれた、お気に入りの、大好きなわたしの名前。

 

わたしが産まれた日、母の病室の窓から見えた八重桜は満開で、見事に咲き誇っていたという。

 

 

今年も、きっと遠くでお花見でもしてほっこりまったりしているであろう家族を想いながら、誰にも負けない満開の笑顔で、また一つ大人になるこの春を咲き誇ろうと思う。

 

 

 

 

おわり。